国土安全保障省・税関国境警備局(CBP)は、非移民ビザで米国に入国する際に必要な紙ベースの出入国記録カード(I-94)を2013年4月30日から、電子化することを明らかにしました。(ただし、一部例外あり。)
電子化導入に踏み切った理由について、CBPは、これまでI-94に記入が求められてきた個人情報は、渡航者が利用する航空会社・船会社やビザを発給した国務省(大使館・領事館)から事前に同局にほぼすべて送信され、データベース化されているため、渡航者に別途I-94の記入を求める必要性がなくなったため、と説明しています。
これまでの入国審査は、機内(船内)で記入・署名したI-94をパスポートとともに審査官に手渡し、入国が許可されると、I-94の入国記録部分が切り取られ、その後、入国スタンプが押され、I-94の半券(出国記録部分)がホッチキスで留められたパスポートを審査官から受け取るという流れでした。電子化導入後は、事前にI-94への記入・署名の必要がなくなるうえ、審査官が入国スタンプを押すだけの作業になるため、審査時間が短縮されるものと期待されています。また、出国の際には、I-94の半券(出国記録部分)をCBPに返却しなければなりませんが、今後その必要もなくなります。
CBPは、I-94の電子化導入に伴い、I-94専用のウェブサイトを立ち上げることも明らかにしました。このサイトにアクセスし、パスポートや入国日などの情報を入力すると、米国滞在中であれば、ご自分のI-94を閲覧・印刷できるようになります。米国に合法的に滞在していること、あるいは米国で就労できることを証明する目的等のために、第三者(例えば、行政機関、就職先、大学など)からI-94を書面で提出するよう求められた場合、このサイトから印刷したものを利用すればよいとのことです。
I-94の電子化は、4月30日からマイアミ国際空港、シカゴ・オヘア空港など一部の空港・港で始まり、全米すべての空港・港に導入されるまでには4週間ほどかかる模様です。