労働省は2006年2月13日、外国人採用許可申請に関連して、外国人の代用制度の廃止や、同省が認可した採用許可の有効期限を45日間とすることなどを盛り込んだ規則改正案を公表しました。同省は2006年4月14日まで改正案に対するパブリック・コメントを募集します。
外国人の代用制度とは、ある会社が外国人Aのために採用許可申請を行ったけれど、Aが同社への就職を取り止めたなどの理由により、新たに外国人Bを採用することにした場合、Aのために行った採用許可申請をBのための採用許可申請に代用することを「一定の場合」に認める制度です。(Aのための採用許可申請が審査中の段階、または認可された採用許可に基づいて移民局に提出された移民ビザ請願が審査中の段階においてこの制度を利用することができます。)
「一定の場合」とは、会社が「Bは、Aが就労を予定していたポジションに就くために必要な学歴・職歴を、Aのための採用許可申請がなされた時点で有していた」ことを証明できる場合で、会社がこの点を立証できれば、Bのために新たな採用許可申請を行う必要がなく、Aのために行った採用許可申請を代用することが認められます。代用が認められると、Aのために行った採用許可申請において決定された優先登録日をそのまま利用することができるため、Bが移民ビザを取得するまでの時間を短縮できるというメリットがあります。
外国人の代用制度を規定した明文は、移民法にも、また関連規則にも存在していませんが、これまで労働省、移民局は慣例として同制度の利用を認めてきました。しかし最近この制度を悪用し、不正に移民ビザを取得する事件の摘発が多くなっているため、労働省は改正案において同制度の廃止を求めることにした模様です。
また改正案では、労働省により認可された外国人採用許可の有効期限を、現行の無期限から45日間にすることも併せて検討されています。改正案が最終的に規則として公布された場合、雇用主は、外国人採用許可申請が認可された日から45日以内に、移民ビザ請願書を認可された採用許可書と共に移民局に提出しなければならないことになります。
今回公表された改正案には問題点が多いことから、反対意見が数多く寄せられるものと思われます。本サイトでも新たな動きがあればお伝えしていきます。