移民局が6月21日「扶養宣誓供述書 I-864フォーム」に関連した改正規則を公布しました。
扶養宣誓供述書は、家族関係に基づく移民ビザ、または一部雇用関係に基づいて移民ビザを取得予定の外国人がアメリカで公的な経済的支援・助成を受ける可能性がないことを証明するために用いられる書式で、ビザ取得手続の第2段階である移民ビザ保持者としての登録申請において提出するよう義務付けられています。宣誓供述書は、取得手続第1段階の移民ビザ請願において請願者となったアメリカ市民、または移民ビザ保持者がスポンサーとなって作成します。供述書の中で、スポンサーは、ご自身の年収が連邦貧困ガイドラインの125%(スポンサーが軍人の場合は100%)以上あることを立証するよう求められています。この立証が出来ないと移民ビザを発給してもらえません。(扶養宣誓供述書についての詳細は、本サイト「アメリカビザ移民法ガイド-家族関係に基づく移民ビザ」を参照して下さい。)
主な改正点は以下の通りです。
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これまで、スポンサーには、ご自身の年収を証明するため、過去3年間の連邦所得税の納税申告書の提出が義務付けられていましたが、改正規則により、最近過去1年の申告書の提出でよいことになりました。
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I-864フォーム、I-864Aフォーム(スポンサー以外の世帯家族の収入を合算する場合等に必要となる書式)上の署名に公証を受ける必要がなくなりました。
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家族関係に基づく移民ビザの場合で、スポンサーの給与所得のみで年収基準を満たしていることを立証できるなど一定の要件を満たしているスポンサーについては、新たに導入されるフォーム「I-864EZ」という略式の書式を当局に提出すればよいことになりました。
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以下のいずれかに該当する場合、スポンサーにはI-864フォームの提出義務がないことが確認されました。その場合、新たに導入されるフォーム「Iー864W」を用いて、ご自身にI-864を提出する義務がないことを証明するよう求められます。① 移民ビザ取得予定の外国人が、社会保障法に基づき、すでにアメリで40四半期(10年間)就労していることを証明出来る場合。
② 2000年10月30日成立した「2000年子供の市民権に関する法律」により、(i)アメリカ大使館・領事館を通じて行った移民ビザ保持者としての登録申請が認可され、移民ビザでアメリカに入国すれば、あるいは(ii)アメリカ国内の移民局を通じて行った移民ビザ保持者としての登録申請(非移民ビザから移民ビザへの在留資格調整申請)が認可されれば、自動的に市民権を取得することになる子供のスポンサーになる場合。
③ アメリカ市民配偶者が死亡後、外国人配偶者が自ら請願者となって移民ビザ請願を行い、同請願が認可されている場合。
④ アメリカ市民、または移民ビザ保持者の配偶者、または親から暴行を受けている外国人が自ら請願者となって移民ビザ請願を行い、同請願が認可されている場合。
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スポンサー個人の収入だけでは基準を満たしていないため、移民ビザ取得予定の外国人の収入を合算することが認められる場合について。
<現行規則>
<改正規則>
移民ビザ取得予定の外国人が、供述書作成時から遡って短くとも6ヶ月の間、スポンサーと同居している場合、当該外国人の収入を合算することが認められています。
以下のいずれかに該当し、かつ、移民ビザ取得予定の外国人が、移民ビザでアメリカに入国後も、合算予定の収入を支払っている会社等と同じ支払元から収入の支払を受けることができる旨の証明ができる場合、当該外国人の収入を合算することが認められます。① 移民ビザ取得予定の外国人がスポンサーの配偶者である場合。
② 移民ビザ取得予定の外国人のアメリカ国内の住所が、スポンサーの住所と同じ場合。 -
<現行規則>
スポンサー個人の収入だけでは年収基準を満たしていない場合、スポンサーの資産、またはスポンサーの世帯家族(移民ビザ取得予定の外国人を含む)の資産を合算することが認められています。ただし、合算が認められる資産は、その額が、年収基準額とスポンサーの収入額との差額分の5倍以上あるものに限られています。<改正規則>
移民ビザ取得予定の外国人が、アメリカ市民の配偶者、または子供(ただし18歳以上)である場合、5倍の要件が3倍に軽減されました。 -
改正規則は2006年7月21日より施行されます。7月21日前に移民ビザ保持者としての登録申請を提出した場合でも、同日以降に申請審査が行われるのであれば、改正規則が適用されます。