学生ビザ(F-1、M-1)

F-1ビザとは、移民局の認定を受けた教育機関で学究的内容の教育プログラム(語学プログラムを含む)にフルタイムで留学する学生に発給されるビザです。

M-1ビザとは、移民局の認定を受けた職業訓練学校、音楽、ダンス学校などにフルタイムで留学する学生に発給されるビザです。

なお2002年7月より、航空訓練学校に留学するためのFー1、M-1ビザに関する申請手続が変更されています。これは在日アメリカ大使館からの情報で、従来の必要書類に加えて、以下の事項を示す書類の提出が求めらます。

訓練を受ける理由。
現在の雇用主名及び申請者の職務内容。
誰が学費を支払うのか。(その名前と申請者との関係)
飛行訓練修了証明書、または等級を示す証明書。(該当する場合)
訓練を受ける予定の飛行機のタイプ。(この書類には学校の署名が必要。)
その飛行機の正式な離陸重量。(学校の署名が必要。)
現在パイロットとして働いている場合、等級または肩書き。

F-1ビザの有効期間と滞在期間
F-1ビザの有効期間
日本人の方には最長60ヶ月有効なビザが発給されます。なおビザの有効期間とは、この間空港などで入国許可を求める申請ができるという意味に過ぎず、この間の入国が保証されたということでありません。

F-1ビザでの滞在期間
学校が留学生に発行する留学生資格証明書(Certificate of Eligibility、I-20-A-Bフォーム)に記された履修課程修了予定日、履修課程修了後のオプショナル・プラクテイカル・トレーニング期間、及び出国準備のための猶予期間(60日間)を越えない限りF-1で滞在できます。F-1ビザでの滞在期間について入国審査官は、I-94(到着・出発記録カード)にD/S(Duration of Status)と記入します。

D/Sとは、F-1ビザ保持者が在留資格を合法的に維持し、有効な留学生資格証明書を所持している限りアメリカに滞在できるということで、例えば当初の目的が語学の短期留学で、仮に1年間有効なF-1ビザで入国、語学学校での履修を修了した後大学に行くことになり、資格証明書を当該大学から発行してもらえば、たとえF-1ビザの有効期限が切れていても、滞在中不法就労などの在留資格違反がなければ、アメリカに合法的に滞在していることになります。但しビザの有効期限が切れた後国外に出た場合、アメリカ大使館、領事館から新たなF-1ビザスタンプをもらって再入国する必要があります。


F-1ビザの取得要件
1.移民局の認定を受けた教育機関で、学究的内容の教育プログラム
(職業訓練のためのプログラムではない )にフルタイム(全日制)の学生として登録すること。

学究的内容の教育プログラムとは、小中学校・高校、または大学で学士号・修士号・博士号を取得する為のプログラムで、語学学校であっても構いません。但し、1996年移民法改正により、公立学校等への入学について大幅な規制が設けられました。それによると、アメリカの公立小学校・中学校、または政府教育助成金を受けている成人教育プログラムへの外国人の留学は一切認められなくなり、さらに公立高校に入学する場合、F-1ビザでの在学期間が12ヶ月を越えないこと、および学費を全額支払ったことを証明する書類を提出しなければF-1ビザを取得できなくなりました。なおこの規制は、F-1留学生にのみ適用され、J、H-2、F-2、B-2、L-2などF-1以外の非移民ビザで滞在してる外国人には適用されません。

2. 英語が堪能であること。
願書を出す際、TOEFLの結果を学校側に提出するよう求められます。その結果から勉学に必要な英語力の有無が審査されます。学校から留学生資格証明書が発行されていればこの要件は満たされていると判断されます。

なお英語での理解力が十分でない場合、以下のいずれかに該当していればよいとされています。

母国語など堪能な言語で授業を受けことができる。
英語の語学学校にフルタイムで通うこと。
専攻科目の一部として英語を勉強する。

3.学費、生活費を支払う能力があること。
通常、(1)最初の1年間の学費、生活費を支払う能力があること、(2)それ以降についても、資金を入手する手段があることを証明する必要があり、留学生本人や両親の預金残高証明書の提出等が求められます。留学生自身の資金だけで留学する場合、留学の全期間、例えば大学に通う場合、4年間の学費、生活費を支払う能力があることを立証できなくてはなりません。奨学金を受ける場合、当該留学生が奨学生として選ばれたことを証明する書類を提出します。

4.アメリカに永住する意思はなく、在学期間中も海外に居所を持ち、学業修了後、米国を離れ居所に戻るつもりでいること。
例えば日本に家族を残している、日本に両親が住んでいる、また日本の会社から派遣されている、日本に不動産を所有しているなど、日本と強い繋がりを持っていることを証明する書類を提出します。


F-1ビザスタンプの申請手続

留学生がアメリカ国外にいる場合、F-1ビザのスタンプの申請は最寄のアメリカ大使館・領事館に行ないます。学校から発行された留学生資格証明書と共に、非移民ビザ申請書(DS-156)、パスポート、写真、上記取得要件を具備していることを立証する書類を提出します。なお同時多発テロ事件の影響により16歳以上の申請者すべてに対し非移民ビザ補足申請書(DS-157)の提出も要求されています。この補足申請書では、過去10年間に入国した全ての外国名、兵役従事経験の有無、さらに爆弾、兵器の製造に関わる知識の有無などの記入が求められています。

さらに2002年7月国務省は、F-1ビザ申請者にDS-158「連絡先および職歴書」を上記書類と併せて提出するよう求める方針を明らかにしました。DS-158では、申請者の配偶者、子供、両親、兄弟姉妹の氏名、住所、電話番号のほか、現在及び過去の職業に関する情報(雇用主の名前、住所、電話番号、職務内容)の記入と、申請者が居住する国で申請者について確認できる連絡先(家族や親戚を除く)を2ヶ所以上明記するよう求めています。なお、同伴家族としてF-2ビザを申請する方もDS-158を提出する必要があります。


F-1ビザでの就労
1.履修課程の一環としての実務研修
  (Curricular Practical Training)

インターン制度、あるいはスポンサーとなる企業等が学校と協力して行う産学共同教育プログラムなど、履修課程の一環として行われる実務研修です。この研修が認められるためには原則として留学生はF-1ビザで9ヶ月以上在籍していることが必要です。但し大学院生については、実務研修がその課程の必須科目となっている場合、9ヶ月未満の在籍であってもよいとされています。

移民局から事前の許可をもらう必要はなく、学校側からの許可のみで十分です。学生は学校当局へ就労許可要望書(Request for School Certification for Employment, Ⅰ-538フォーム)に必要事項を記入し、学校から許可されれば、留学生資格証明書にその旨の裏書をもらいます。

留学生はパートタイムでも、またフルタイムでも就労できます。パートタイムで就労を希望する場合、在籍のまま週20時間までの就労が認められます。

本プラクテイカル・トレーニングで就労できる期間に制限はありません。なおすでに本プラクティカル・トレーニングで12ヶ月以上就労した学生については、下記の履修課程修了後のオプショナル・プラクテイカル・トレーニングを利用して就労することは認められません。本プラクティカル・トレーニングでの就労が12ヶ月未満である場合、履修課程修了後のオプショナル・プラクテイカル・トレーニングは最長12ヶ月間認められます。

2.オプショナル・プラクテイカル・トレーニング
  (Optional Practical Training = OPT)

履修課程中卒業前に行われるOPT :学期中は週20時間までのパートタイム、休暇期間中は時間制限なく、留学生の専門分野に関連した実務に従事することができます。
履修課程修了後のOPT :履修によって得た知識を卒業後生かすために認められている実務研修です。

上記いずれのOPTを問わず、OPTを希望する学生は、まず学校当局へ就労許可要望書(Request for School Certification for Employment、Ⅰ-538フォーム)を提出し、留学生資格証明書の裏書として許可を与えた旨の推薦状を学校当局から得た上で、移民局に就労許可書(Employment Authorization Document = EAD)を求める申請を行います。

上記いずれのOPTを問わず、研修内容は専攻分野に関連したものでなければなりません。またOPTの許可をもらう為には原則として9ヶ月以上F-1ビザで在籍していることが必要となります。なお、語学留学、小中、高等学校に留学している学生にはOPTは認められません。

最長12ヶ月間のOPTが認められます。例えば履修課程中卒業前のOPTとして2ヶ月間パートタイムで実務研修をしていた場合、フルタイムで1ヶ月働いたものと見なされ、履修課程修了後のトレーニングは11ヶ月まで認められます。なお、2008年4月8日より、科学、テクノロジー、エンジニアリング、または数学の分野で学位(学士号、修士号、博士号)を取得したF-1留学生がOPTを利用して就労する場合は、通常認められる12ヶ月間に加え、延長申請が認可されれば、さらに17ヶ月間、合計29ヶ月間OPTで就労することができるようになりました。ただしこの場合、雇用主は「E-Verify Program (移民局が管理するインターネットベースの従業員就労資格確認プログラム」)に登録していることなどが条件となります。

3.キャンパス内で行う就労
学期中は週20時間までのパートタイム、休暇中は時間制限なくキャンパス内で働くことが出来ます。仕事の内容が専門分野に関連したものである必要はありません。事前に移民局からのEADを取得する必要はなく、学校当局からの許可も移民法上は要求されていません。しかし実際多くの学校が、学校当局から何らかの許可を求めるよう指導しています。

4.キャンパス外での就労
F-1留学生がキャンパス外で働くためには以下の点を立証する必要があります。

キャンパス内の就労では充分でないこと。
F-1留学生として9ヶ月以上在籍していること。
成績が優秀であること。

学生はまず就労許可要望書(Ⅰ-538フォーム)を学校当局に提出します。学校から留学生資格証明書の裏書として要望を許可した旨の推薦状をもらった上で、移民局に就労許可書(EAD)の申請を行ないます。学期中は週20時間まで、休暇中はフルタイムで働くことができます。 


M-1ビザの有効期間と滞在期間
M-1ビザの有効期間
通常60ヶ月間有効なビザが発給されます。なおビザの有効期間とは、この間空港などでアメリカへの入国許可を申請できるという意味に過ぎず、この間の入国が保証されたということではありません。

M-1ビザでの滞在期間
M-1ビザで認められる滞在期間は、学校が本人に発行する留学生資格証明書(I-20-M-Nフォーム)に記された学業修了予定日に出国準備の為の猶予期間(30日間)を加えた期間ですが、最長1年までです。


M-1ビザでの転校、登録プログラムの変更、他の非移民ビザへの変更
M-1ビザで既に米国に6ヶ月以上滞在している留学生は、原則的に他の職業訓練学校に転校したり、あるいは同じ学校の別のプログラムに登録することは認められていません。但し留学生の責に帰さない理由がある場合はこの限りではありません。

米国内で移民局にMー1ビザからF-1ビザへ在留資格を変更する申請をすることは認められていません。また米国内でのM-1ビザからHビザへの在留資格変更申請は、Hビザ取得に必要な資格をM-1ビザ保持者として取得した場合には認められません。いずれの場合も、一旦米国外を出て、アメリカ大使館、領事館からそれぞれF-1ビザ、Hビザスタンプをもらい再入国する必要があります。


M-1ビザの取得要件

1.移民局から認定を受けた職業訓練学校のフルタイム(全日制)の学生であること。
留学生は、移民局から認定された職業訓練学校のプログラムに登録しなければなりません。
それ以外の職業訓練学校は、留学生資格証明書(I-20-M-N)を発行することが出来ません。

2.学費、生活費を支払う能力があること。

3.英語が堪能であること。
英語での理解力が十分でない場合、以下のいずれかに該当していればよいとされています。
  ①母国語など堪能な言語で授業を受けことができる。
  ②英語の語学学校にフルタイムで通うこと。
  ③専攻科目の一部として英語を学ぶこと。

4.アメリカに永住する意思はなく、在学期間中も海外に居所を持ち、学業修了後、米国を離れ居所に戻るつもりでいること。

M-1ビザスタンプの申請手続
留学生がアメリカ国外にいる場合、M-1ビザスタンプの申請は最寄のアメリカ大使館、領事館に行います。学校から発行された留学生資格証明書と共に、非移民ビザ申請書(DS-156)、パスポート、写真、上記取得要件を具備していることを証明する書類を提出します。なお同時多発テロ事件の影響により、16歳以上の申請者の場合、非移民ビザ補足申請書(DS-157)の提出も要求されています。この補足申請書では、過去10年間に入国した全ての外国名、兵役従事経験の有無、さらに爆弾、兵器の製造に関わる知識の有無などの記入が求められています。

さらに2002年7月国務省は、M-1ビザ申請者にDS-158「連絡先および職歴書」を上記書類と併せて提出するよう求める方針を明らかにしました。DS-158では、申請者の配偶者、子供、両親、兄弟姉妹の氏名、住所、電話番号のほか、申請者の現在及び過去の職業に関する情報(雇用主の名前、住所、電話番号、職務内容)の記入と、申請者が居住する国で申請者について確認できる連絡先(家族や親戚を除く)を2ヶ所以上明記するよう求めています。なお同伴家族としてM-2ビザを申請する方もDS-158を提出する必要があります。


M-1ビザでの就労
原則としてM-1留学生はアメリカで働くことはできません。但し一定の要件を満たした上で学業修了後のプラクテイカル・トレーニングに従事することが出来る場合があります。


ここで提供されている情報はアメリカ移民法についての一般的な情報であり、個々の事例の法的アドバイスとして利用されるものではありません。この情報だけで御自身のケースを判断しないでください。必ず詳しい相談を弁護士にして下さい。

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