アメリカ市民の婚約者、配偶者のための非移民ビザ(K-1、K-3)

Kビザは従来アメリカ市民の婚約者にのみ発給されていましたが、2000年12月成立した「合法移民及び家族公平法」により、アメリカ国外で移民ビザ取得を待つアメリカ市民の配偶者も利用できるようになりました。


アメリカ市民の婚約者ビザ(K-1ビザ)
アメリカ入国後90日以内にアメリカ市民と結婚し、その後永住することを前提に発給される婚約者の為のビザです。婚約者として入国し、移民ビザを取得するまでの間の滞在を認めるビザと言えます。90日以内に結婚しなかった場合、婚約者はアメリカを離れなければなりません。外国人婚約者の子供(21歳未満で未婚)にはK-2ビザが発給されます。

K-1ビザ申請はアメリカ市民婚約者が申請者となってアメリカ国内の移民局に行います。この申請の中で下記のK-1取得要件(後述)を具備していることを立証します。移民局から申請の許可が下りるとアメリカ大使館、領事館よりビザスタンプ申請に関するインストラクションが外国人婚約者に送られてきます。K-1ビザスタンプ申請では、警察証明、扶養証明書、健康診断書などが必要になります。

移民(永住)ビザ保持者の婚約者はこのビザを利用することができません。
結婚後2年以内にアメリカ市民の配偶者として移民ビザを取得した外国人には、2年間のみ有効な、いわゆる条件付移民ビザが発給されます。これは移民法がアメリカ市民との結婚はすべて移民ビザを取得する為の「偽装結婚」であるという前提に立っているためです。条件付移民ビザが発給された場合、2年間の有効期限が切れる前に条件を取り除く申請をする必要があります。この申請をしなかったり、申請が却下された場合、有効期限後移民ビザは無効になりアメリカに滞在することは出来ません。結婚2年目以降に移民ビザを取得した場合、条件付移民ビザではなく、通常の移民ビザが発給されます。

婚約者用ビザ(K-1ビザ)の取得要件

申請者アメリカ市民と外国人婚約者には入国後90日以内に結婚する誠実な意思があり、両者とも法律的に結婚する資格があること。
申請者アメリカ市民と外国人婚約者はK-1ビザ申請前の2年間の間に出会っていること。

アメリカ市民の配偶者ビザ(K-3ビザ)
2000年12月成立した「合法移民および家族公平法」により、アメリカ国外で移民ビザ取得を待つアメリカ市民の配偶者はK-3ビザを利用して移民ビザが発給されるまでの間、アメリカに一時的に滞在できるようになりました。就労許可を取得すればアメリカで働くことも可能です。また外国人配偶者の未婚の21歳未満の子供にはK-4ビザが発給されます。

アメリカ市民の配偶者であっても、アメリカに滞在している場合(非移民ビザを持って滞在している、または不法に滞在しているかを問わない)にはK-3ビザを取得することはできません。ビザの取得を希望する外国人配偶者は一旦国外に出て、アメリカ大使館・領事館でビザを発給してもらう必要があります。なお、181日以上不法にアメリカに滞在していた外国人配偶者が国外に出た場合、3年または10年間入国が禁止され、その間非移民ビザ、移民ビザを問わず一切ビザは発給されませんのでご注意下さい。

K-3ビザ申請は、外国人配偶者のための移民ビザ請願が移民局で審査されている間、アメリカ市民配偶者が申請者となって行ないます。(移民ビザ請願が既に認可されている場合にはK-3ビザを取得することができません。)K-3ビザ申請が移民局に許可されると、続いて婚姻挙行国のアメリカ大使館・領事館に申請を行いビザスタンプをもらいます。婚姻挙行国がアメリカの場合には通常外国人配偶者が居住している国のアメリカ大使館、領事館を通じて発給されます。

前述したようにK-3ビザを取得するためには、ビザ申請に先立ちアメリカ市民配偶者が外国人配偶者のために移民ビザ請願を行っている必要があります。他方K-4ビザについては、このビザがK-3ビザから派生したものにすぎず、K-3ビザ取得のためには外国人配偶者の子供(21歳未満、未婚)であれば十分で、アメリカ市民配偶者(子供から見て実親、または継親)がビザ申請に先立ち子供のために移民ビザ請願を行っている必要はありません。【注意:家族優先カテゴリーの場合と異なり、アメリカ市民の配偶者の子供(21歳未満、未婚)は同伴家族として親と同時に移民ビザを取得することができません。アメリカ市民である親が子供のために別途移民ビザ請願を行う必要があります。】

しかしK-3ビザ保持者が移民ビザを取得すると、K-3としてアメリカに滞在する資格を失い、その結果K-3から派生したK-4としての資格も同時に失われるため、その後K-4ビザでアメリカに滞在することは出来ません。このような事態を避け、K-4ビザ保持者である子供が移民ビザを取得できるよう、アメリカ市民である親が当該子供のために移民ビザ請願を行っておくことが必要です。他方移民ビザ請願を行わなかった場合、あるいは法律上請願を行うことが認められない場合、外国人配偶者が移民ビザを取得後、家族第2優先カテゴリーに基づいて子供の為に移民ビザ請願を行うことができますが、この場合取得までに数年以上待つ必要があります。


ここで提供されている情報はアメリカ移民法についての一般的な情報であり、個々の事例の法的アドバイスとして利用されるものではありません。この情報だけで御自身のケースを判断なさらないで下さい。

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